S&P500の信者は次の金融ショックで退場する?対策法を解説します

2021.09.30

「S&P500に投資しておけば、資産は増えていく?」

「S&P500に大きな資産を投資しているけど、今後は大丈夫?」

米国株ETFの中でも、安定した利回りが期待できると大人気のS&P500。実際に、過去のパフォーマンスは非常に優秀で、堅実な投資先と言えるでしょう。

しかし、金融商品を購入している以上、暴落のリスクには常に備えておく必要があります。事実、S&P500への投資で損をしている人も一定数存在するのです。

そこで今回は、金融ショックが訪れたとき、S&P500の投資家が理解しておくべき対策について解説します。金融ショックで退場してしまわないよう、しっかり理解しておきましょう。

「S&P500に投資しておけば大丈夫」は危険

S&P500は、うまくいけば平均年利7%を期待できる優秀な投資先です。しかし「S&P500に投資しておけば大丈夫」と安易に考えていると、次の金融ショックで退場してしまう危険性があります。

下記は、S&P500の過去195年の歴史です。

パフォーマンス回数
▲40%〜▲50%1回
▲30%〜▲40%2回
▲20%〜▲30%6回
▲10%〜▲20%17回
0%〜▲10%31回
合計57回

堅実な投資先であるS&P500でも、過去57回マイナスの年があります。これは、約30%の確率です。

参考:You Tubeチャンネル「ライオン兄さんの米国株FIREが最強」

過去には2000年頃のITバブルやリーマンショック、さらに2020年頃にも大暴落をしています。手堅いS&P500といえど、「10年に1度は暴落が来る」という認識を持ちましょう。

また、多くの人が実践している積立投資ですが、買い増しすることで平均取得単価が上昇します。すると、暴落が起きた際に含み益はマイナスになる可能性があるのです。

暴落時の保有資産に対する株式・S&P500の割合が大きすぎると、大暴落の影響を大きく受けます。例えば、現在数千万円などの資産を集中して投資している場合、暴落時の含み損に耐えられずに狼狽売りするという、最悪の結果にもなりかねません。

S&P500の金融ショックを乗り切る対策

金融ショックによる暴落時に耐えるためには、ある程度の現金化を目指す必要があります。簡単に言うと、高値付近で一部の株式を利益確定し、手元に現金資金を残しておくことが大切です。

ある程度の資金が手元にあれば、暴落時を耐えられます。そして回復の兆しが見えた初動で、投資を再開。そうすることで、よいサイクルに戻ることができます。

投資における「金持ちサイクル」と「貧乏サイクル」

投資において、「金持ちサイクル」と「貧乏サイクル」と呼ばれるものが存在します。

金持ちサイクル:株価が高値の時点で売る。手元にある資金で、暴落時に株を買い増し。

貧乏サイクル:株価が高値の時点で「まだ上がるだろう」と買う。暴落時に含み損に耐えきれずに狼狽売り。結果、損をしてしまう。

投資において、上記のようなサイクルがあることを理解しましょう。

損をする人得をする人のポートフォリオ

投資およびS&P500で損をする人には、ポートフォリオに特徴があります。それは、米国株の成長に過度に期待し、ポートフォリオの大部分を「株式」に集中している点です。

例えば、資産1,000万円のうち900万円を株で所有していると、暴落時には下記のような結果になります。

資産内訳暴落前 / 暴落後
現金100万円 / 0円
株式900万円 / 450万円

暴落が起こり株価が半値になると、現金資産はすぐになくなってしまいます。さらに、不景気になると現金が回らなくなり、日々の支払いに追われる結果に。

すると、資金をつくるために株式を底値で売り、損をするという貧乏サイクルが出来上がってしまうのです。

一方、暴落時に備えてポートフォリオを見直した場合はどうなるでしょうか。

資産内訳暴落前 / 暴落後
現金800万円 / 600万円
株式200万円 / 100万円

上記はあくまで例ですが、現金化を進めておくことで手元の資金に余剰が生まれます。すると、暴落時を耐えることができるでしょう。

また、暴落後にはFRB(米国の中央銀行)が金融緩和を行います。株価が回復したとき、手元の資金で株式を買い増し。すると、長期投資でポートフォリオを拡大していく事ができます。

相場サイクルや暴落を理解せず、安易に運用を続けるのは危険です。投資をする際には、次のリセッション(景気後退)も視野に入れて運用しなければなりません。

金融ショック対策3つのパターン

金融ショック対策を、「積立投資」「大金投資」「FIRE後」の3つのパターンにまとめました。下記をご覧ください。

  • パターン1

毎月少額で積立投資を行っている場合は、利益確定せず、暴落後も積立を継続する

  • パターン2

数百万円〜数千万円以上の大金を投資している場合は、株価のピークで(ある程度)利益確定。現金ポジションを高めておく。

  • パターン3

FIRE達成者は、株や年間生活費、現金クッションでやり過ごす。ただし、株価のピークで現金クッションを厚めにしておく。

投資リスクを理解し現金確保もしっかり行おう

S&P500は、今後も成長が期待できる堅実な投資先です。しかし金融商品である以上、常に暴落のリスクがあるという事実を忘れてはいけません。

過去には株価が半値になったデータもあります。暴落時の対策として、生活防衛資金を確保した上で投資を行いましょう。


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