FIRE4%ルールは米国版?FIREを成功させる為の日本版4%ルールを解説

2021.08.20

「FIREを成功させるには4%ルールを守ればOK?」

「4%ルールに関する注意点があれば知りたい」

近年注目を浴びているFIREには、成功させるための4%ルールが存在します。4%ルールとは、簡単に言うと「年間支出の25倍の資産をつくれば、毎年4%を取り崩しても元本は減らない」という考え方です。

しかしこの4%ルール、実は米国版。日本で同じ様にFIREを実行すれば、大変なことになる可能性があるのです。そこで今回は、日本で4%ルールを使う際の注意点についてご紹介します。日米の違いについても解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

4%ルールの前提条件

4%ルール日米の違いを述べる前に、そもそも「4%ルールを成功させるための前提条件」についてご紹介します。前提条件とは、下記の3つです。

  • 優良インデックスファンドへの投資
  • FIRE成功の定義
  • 取り崩し方法は定率法

まずFIRE4%ルールを実践する際は、優良インデックスファンドへの投資が大前提です。例えば、株式なら米国の大型500社へ分散がきくS&P500、債券であれば格付けが高い米国社債や米国債などが挙げられます。

ある程度のリターンを目指せ、かつリスク分散ができる優良インデックスファンドへ投資しましょう。FIRE4%ルールは、どこへ投資していてもよいわけではないのです。

またRIRE成功の定義とは、簡単に言うと「資産の元本を取り崩していなければOK」ということになります。

そして、取り崩し方法は定率法がおすすめです。取り崩し方法には、生活費を毎月定額で取り崩す「定額法」と毎月定率で取り崩す「定率法」があります。前者は収入をシミュレーションしやすいというメリットがありますが、株価暴落時には元本を切り崩してしまうリスクがあるので注意が必要。

一方後者は、収入が変動するというデメリットはありますが、暴落時でも元本切り崩しを抑えられるという最大の魅力があります。取り崩しの際は「定率法」を選択し、リスク回避をしましょう。

何%の取り崩しが安心?

米国トリニティスタディが発表した「資産の取り崩し方について」の研究では、下記のような結果が出ています。

左列は投資先の割合、横軸は取り崩し率を指しています。この表を見ると、4%で取り崩していった場合、「25%株式/75%債券」を除いたケースで30年後資産の減少がほとんどみられないことが判明しました。

また「Early Retirement Now」では、下記のようなデータも出ています。

こちらのデータでは、60年後までの資産が残る状況・可能性がわかります。4%取り崩す場合、100%株式なら60年後の資産は89%です。長期間の取り崩しをするなら、3.5%が安全と言えるでしょう。

FIRE4%ルールは日米で違う?

そもそも、RIREを成功させるための「4%ルール」が誕生したのは米国です。米国では4%ルールを実行すれば、資産は減らないもしくは増えるという研究結果も出ています。

しかし、米国の4%ルールは日本で通用しない可能性が。なぜなら、日本の場合はインフレ率や為替リスク、運用コストの問題があるからです。下記では、4%ルールが日米で違う理由を解説します。

インフレ率

まず、日米間ではインフレ率の差が生じます。過去40年のインフレ率は、米国約3%に対し日本は約1%。つまり、日本はほとんど物価が上がっていません。

そもそも4%ルールとは、下記の通り算出されています。

株・債券の平均リターン7% − インフレ率3% = 4%

では、上記の計算で算出される日本版はどうでしょうか。

株・債券の平均リターン7% − インフレ率1% = 6%

結果から言うと、日本版を6%と考えるのは危険です。続いての為替リスクと運用コストもご覧ください。

為替リスク

前述した6%がなぜ危険なのか?理由を解説します。まずFIRE成功を目指すには、米国や全世界のインデックスファンドへの投資が前提条件です。

しかし日本から外国株へ投資をすると、為替リスクが生じます。ドル円の交換レートが変動するので、為替リスクは必ず受けるのです。

そして、為替は二国間の物価の変化に連動するという説があります(相対的購読力平均)。つまり6%ルールで運用すると、為替変動リスクによって資産が減ってしまう危険性があるのです。6%ルールは、為替変動リスクで相殺される可能性があることを理解しておきましょう。

運用コスト

日本版4%ルール最後の注意点は、運用コストについてです。投資信託やETFを運用する場合、信託報酬と売買委託手数料が発生します。2つ合わせたものを実質コストと呼び、考慮する必要があるのです。

例えば、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の実質コストは0.140%、全世界株式なら0.204%となっています。つまり、実質コストは約0.2%ほど考慮すべきなのです。

安全な取り崩し方法を理解しよう!

60年間の安全な取り崩し率は「Early Retirement Now」データを参考に、3.5%と言えます。そこから、日本版は実質コスト0.2%、税金0.3%を考慮しましょう。

すると、日本版の正しい取り崩し率は3%という結果になります。年間支出300万円の場合は、完全リタイアするために1億円が必要です。

ただし、セミリタイアという選択肢もあります。セミリタイアは資産と収入を半分ずつ。つまり、前述の例なら半分の資産5,000万円でセミリタイアが可能になるのです。

さらに、30年後には資産が増えている可能性もあります。まずはセミリタイアのステージにたどり着きましょう!

日本版のルールを理解しFIREを成功させよう

米国版4%ルールを日本で使おうと思うと、取り崩し率は3%になります。FIREするための前提条件や日米間の違いについて理解し、正しい方法を実践しましょう。

また、完全リタイアへのハードルが高くても、半分の資産で到達できるセミリタイアという選択肢もあります。ぜひ豊かな人生のために、正しい理解を深めましょう。