富裕層は今、なぜドル建て債券に投資しているのか?
2023.01.23

今回の記事はあくまで金融リテラシーを向上させるためのものであり、投資を推奨するものではございません。
資産運用エキスポでも数億円をドル建て債券に投資したという方にお会いしましたが、今、富裕層はなぜドル建て債券に投資しているか?を解説いたします。
今回のブログのトピック
①債券という金融商品の特性について
②個別債券とETFについて
③債券投資でインカムゲインとキャピタルゲインを両輪で得る手法
まずは債券についての説明ですが、債券は発行体(国、地方自治体、企業)などにお金を貸し、利息をもらう金融商品です。国が発行体の債券は国債、企業が発行体の債券は社債と呼ばれます。
発行体が債務不履行(デフォルト)しない限り、満期まで保有すれば元本が償還されます。更に保有している間の利金(インカムゲイン)を得られるのが特徴です。
よって債券は株式よりもローリスクな金融商品んと言えるでしょう。

ただし、債券だったら何に投資しても良いのではなく、債券はデフォルトしない信用力が重要になります。
この信用力は格付け会社が、格付けをしており、そちらを参考にします。

上記の画像の通り、AAA〜BBBが投資適格債で、BB以下は投機的格付けとなりデフォルトのリスクが高まります。利回りが高いからといって投機的格付け債券(ジャンク債)を選ばないように注意が必要です。
参考までにMoody’sという格付け会社が出している表をご覧ください。

Aaaの債券は10年後のデフォルト・リスクが0.01%、Aaの債券は0.61%です。つまり、10年後も高確率でデフォルトしないほど安全性が高いことを表しています。逆にBaの債券の10年後はデフォルト・リスクが12.22%と高くなっており、これがジャンク債と言われる所以です。
次に個別債券とETFについてですが、どちらも良し悪しがあります。

ETFは流動性が高く、株式のようにリアルタイムで売買できるメリットがある一方で、インカムゲインが約束されていません。
個別債券は流動性や分散効果は低いものの、満期まで持てば元本保証されており、利金が保証されています。
今回のテーマである「高い利回り(インカムゲイン)を得ながら、債券価格の上昇によるキャピタルゲインも得るのであれば、個別債券を選ぶのが、今のタイミングではメリットがあると言えそうです。
債券投資でインカムゲインとキャピタルゲインを得る時の注意点は以下です。
①ETFではなく個別債券を選ぶ
②ゼロクーポン債ではなく利付債を選ぶ
③残存年数の長い債券を選ぶ
順に説明しますと、①につきましては、ETFは利回りが変動しているので、今の高い金利で固定することができません。それに対し個別債券は購入時の利回りで固定されます。
ドル建ての債券は4〜5%を超える投資適格債がゴロゴロしています。更に今の市況を考えると、米国のインフレが鈍化していますので、利上げは2023年中に打ち止め、その後に利下げに向かうと考えられます。
利下げすると、株価は上昇するか不透明ですが、債券価格は必ず上昇します。これについては、今回は説明は割愛します。詳しく知りたい方は、この記事の文末にあるFFCの米国株オンラインセミナー(無料)にご参加ください。
②につきましては、債券にはクーポン(利金)を払い出す利付債と、利金を払い出さずに、その代わり購入時の金額が安くなっているゼロクーポン債(割引債)があります。
将来のセルフ年金を構築するにはゼロクーポン債が良いですが、長期投資になりますので、今すぐにインカムゲインを得たい富裕層の方は利付債を選ぶのが適しているでしょう。

③残存年数の長い債券を選ぶことでキャピタルゲインが狙える件は、以下の画像の通りです。

実際にドル建て債券を購入する際は、まずは手数料が安くラインナップが豊富なSBI証券で良いでしょう。
という訳でSBI証券のキャプチャ画像で簡単に解説をいたします。

上記のアマゾンの社債は、この時点で購入すると利金は年3.1%(税引前)で固定されます。
格付けはAA(S&P)、A1(Moody’s)なので投資適格債です。
最低申し込み数量は2000ドルですが、単価が81.72%なので、実際に必要なのは1634ドルとなります。
残存年数が28.3年で満期まで持てば、2000ドルで償還されます。
つまり、今は価格が安くなっていて利回りが高いと判断できます。
利金の年3.1%と単価が安くなっていて償還時に366ドル(2000ドルー1634ドル)がプラスになる分も含めたトータルの利回り(税引前)が4.211%ということです。
ちなみに偶然、アマゾンの社債を説明のために挙げましたが、決してアマゾンの社債を推奨している訳ではございません。こちらの債券に投資して損失を出しても一切の責任を負いかねます。
ここまで記事を読んで頂いた方は、SBI証券で残存年数の長い投資適格債を血眼になって探すかも知れませんが、落ち着いてください。
そもそも論として現在は円安です。よって円をドル転してまでドル建て債券に投資するメリットは少ないです。ドルを高値掴みして、インカムゲインとキャピタルゲインを両方得ても、売却した時に円高になっていたら元本割れリスクもあります。落ち着いてください!
よって現在債券に投資するメリットがある人は米国株などで既にドル資産を保有している人になります。
また、利金や債券売却時にドルを受け取って、その時に円高だった場合、円に両替はせずに、米国株や外貨建てMMFなどでドルで運用して、円安になったタイミングで円に両替(利食い)するのが最も資産効率が良いのです。
上記で挙げたような運用は金融リテラシーが無いと失敗に終わります。
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