S&P500の今後は?株式相場のリスクを理解して、暴落を乗り越えよう!
2022.03.11
目次
「インフレに利上げ、ウクライナ問題による米国株への影響は?」
「株式相場のリスクと対処法が知りたい!」
2022年3月、米国株式はさまざまな要因が重なり暴落が危惧されています。インフレや利上げに加えて、ウクライナ問題や金の高騰など、今後の株価変動が気になる人がいるかもしれません。
しかし、現在の株式相場のリスクを理解することで、暴落に備えることができます。万が一の際に慌てないよう、株式相場と経済の流れについて理解を深めておきましょう。

米国株は3月に地獄が待っている?
米国株は、2022年3月に地獄が待っている可能性があります。主な要因は下記のとおりです。
- インフレ
- 利上げ
- FRB(米国中央銀行)バランスシートの縮小
- ウクライナ問題
- 金とビットコイン
米国経済は、これらの要因からリセッション(景気後退)の可能性が危険視されています。株価暴落のリスクも高まっており、「米国株は売るべき?」「S&P500も終わっちゃうの?」と不安を抱く人も少なくありません。
それぞれの流れを詳しく解説するので、対策できるように備えましょう。
インフレ
2022年3月、米国のインフレ率は7.9%まで上昇しました。この数字は、過去40年で最悪の数字です。そもそも米国の中央銀行であるFRBは、コロナショックによる株価暴落を救うために量的緩和を行いました。
量的緩和と目的
・量的緩和とは、市場にお金をばらまくことで株価・景気を回復させるための金融政策。・FRBの目的は、雇用の拡大化とインフレ率2%の達成 |
しかしその結果は、本来の目的よりも大幅に上回っています。このままインフレが続くと、物価上昇につながり生活を圧迫。さらに、リセッション(景気後退)の危険性もあります。ドイツはすでにリセッションを起こしているため、世界の指数チェックも重要です。
利上げ
インフレ率のさらなる上昇を回避するために、FRBは金融引き締めを実行すると言われています。金融引き締めとは、量的緩和とは真逆の「市場から現金を回収する」金融政策です。
具体的な施策としては、利上げとFRBバランスシートの縮小があります。金利と株価はシーソー関係であり、Aが上がるとBが下がります。つまり、金利が上がると株価が下落するのです。
そして、本来の利上げは0.25%ずつ上昇して調整するのですが、現在はリセッションが迫っているため時間がありません。そのため、2022年3月にFOMCが「0.5%の利上げを発表するのでは?」と考えられています。
※FOMC:アメリカの金融政策を決定する連邦公開市場委員会の略
金利は株価に与える影響が大きく、利上げの発表があれば、米国株は一時的に急落・その後しばらくは低迷するかもしれません。
短期金利と長期金利
金利の種類は、取引期間が1年未満の「短期金利」と、1年以上の「長期金利」があります。そして、それぞれの利回りの差がなくなる、もしくは逆転した場合に過去にリセッションが起きた事例があるのです。
そして2022年現在、両者の差は縮まってきています。
引用:日興アセットマネジメント
FRBバランスシートの縮小
コロナショックの際、FRBは景気を回復させるためにバランスシートを拡大し、市場にお金をばら撒きました。しかし2022年、上がりすぎたインフレ率への対処として、5月にバランスシートの縮小を検討しています。
このことから、3月に利上げ・5月にバランスシートの縮小で、株価はさらなる下落の可能性もあるのです。このままでは、相場サイクルが急激に進み、リセッションをおこすリスクがあります。
ウクライナ問題
2022年3月、ウクライナ問題が深刻化。そして、ロシアへの経済制裁は各国に大きな影響を与えています。欧州はエネルギー資源をロシアに頼っていたため、経済制裁・輸入ストップへの危機感から、原油価格が一時急騰する事態となったのです。
しかし、その後の経済状況は少し進んで現在はリスクオフ相場に。リスクオフ相場とは、世界的に悪いことが起こった際に、安全資産が買われる状態です。
※反対の状態として、株や仮想通貨などのリスクを背負ってリターンをとりにいく「リスクオン相場」もあります。
金とビットコイン
現在は世界経済がリスクオフ相場であり、インフレに強く安全な金が注目されています。また、ロシアへの経済制裁は「ドル決済ができなくなるかも」という懸念を生んでいます。その結果、ロシアは世界共通で取引できる「金・ビットコイン」を買っているのでは?と予想されているのです。
狼狽売りはNG!暴落時の対処法とは
米国株は、さまざまな要因が重なりリセッションが危険視されています。資産を守るため、暴落に備えた対策が大切です。
- 狼狽売りはNG
- 現金比率を高める
- ポジション整理(不要な資産は現金化)
まず、暴落時の狼狽売りは絶対にNGです。含み損が出てもホールドし、米国株の回復を期待して待ちましょう。また資金に余裕がある人は、買い増しして平均取得単価を下げておくことがおすすめです。
そして次に、長引くかもしれない暴落を乗り切るため、現金比率を高めておく必要があります。現金比率は個人の状況によって異なりますが、リスクをとれない中高年の場合は「株式:現金=3:7」ほどが最適です。
そして、リスクの高いグロース株やすでに含み損が出ている銘柄は、今のうちに現金化しておきましょう。過去のドットコムバブル・リーマンショックでは、13年間も株価が低迷していた実例があります。ろうばい売りせず耐えられるように、現金資産の確保が重要です。
株式相場を理解して暴落を乗り越えよう!
株式相場や経済を理解しておかないと、いつ暴落がくるかわかりません。しかし状況を理解しておけば、どのようになるかある程度わかるようになります。
2022年3月以降、米国株・S&P500は暴落する可能性が高いです。暴落しても耐えられるよう、今からしっかり対策しておきましょう。そして米国株の回復を信じ、積立投資の継続が重要です。