S&P500がバブル崩壊寸前!株高の理由と暴落時の対処方法を解説します
2022.02.04
目次
「S&P500がなぜ大暴落予想?」
「S&P500に投資しているから暴落時の対処法を知りたい!」
2022年に入り、S&P500の大暴落予想が出回っています。S&P500のスーパーバブルやFRBの金融引き締めなど、今後の株価動向に不安を感じる人がいるかもしれません。
ただし、米国株マーケットがバブルになっている理由を理解し対策しておけば、万が一暴落しても冷静に判断できます。
当記事では、S&P500のバブル崩壊と対策について解説します。投資で負けない方法も紹介するので、参考にしてみてください。
なぜ?S&P500の大暴落予想
資産運用を行うGMOのグランサム氏の発言が、Bloombergの記事になり話題となっています。「現在の米国株はスーパーバブル状態」「暴落が進行中」といった内容です。
加えて、グランサム氏は「スーパーバブルは1世紀に今回を含む4回しかない」とも発言しています。過去〜現在のバブルの歴史は下記のとおりです。
- 1929年:大暴落
- 2000年:ドットコムバブル
- 2007年:リーマンショック
- 2022年:現在の株高
では、現在のS&P500のチャート(冷やし玉)を見てみましょう。
引用:You Tubeチャンネル「ライオン兄さんの米国株FIREが最強」
S&P500は長期で右肩上がりに成長していたものの、2022年に入って下落しています。そして、グランサム氏は株価下落の予想を、次のように発言しました。
- S&P500は50%近く暴落する
- S&P500は2500ポイントまで下落する
2500ポイントとは、コロナショックの底付近(2022年1月31日時点では4400ポイントほど)。グランサム氏は、今後S&P500は大暴落すると予想しているのです。
米国株マーケットがバブルになっている理由
米国株マーケットがバブルになっているのには理由があります。Bloombergの記事の内容をまとめたので、バブルの理由を紐解いてみましょう。
- アーク・イノベーションETFは昨年2月に52%下落している
- 強気相場に強いラッセル2000指数が、昨年はS&P500をアンダーパフォームした
- ミーム銘柄・EV銘柄・ドージコインなど理解しかねる仮想通貨やNFTの取引が急増
つまり①②のことから、強気相場は弱気相場へ転換を迎えているというサインを読み取れます。
また③は、実質的な価値よりも投機的な意味合いの取引が増加しているということです。これは、2020年と2021年の金融緩和による資産バブルの恩恵が加熱しすぎた状態を見て取れます。
※金融緩和金融危機の際にFRBが行う施策のこと。市場の金利を0%に引き下げる、+αでFRBが市場の国際を買い現金をばら撒くことによって、現金の価値が希薄化し、資産の価値を上げる目的がある。 |
下記は、FRBが行う量的緩和の推移です。
FRBは、4兆ドルほどだったバランスシートを約2倍に拡大しました。この措置によって、S&P500は回復できたのです。
しかし、FRBはインフレ退治のために市場の現金の回収をはじめます。その結果、株価の調整は避けられない状態となるのです。
下記は、直近(左)と2000年代以前(右)のチャートです。
引用:You Tubeチャンネル「ライオン兄さんの米国株FIREが最強」
両者のチャートは、非常に似ています。しかし、2000年代(右)のその後のチャートでは、恐ろしい結果になりました。
引用:You Tubeチャンネル「ライオン兄さんの米国株FIREが最強」
中央の山がドットコムバブル、次いで右側にある波がリーマンショックです。ドットコムバブル時の高値を回復したのは2013年であり、S&P500は13年間も低迷していた過去があります。
先程のチャート比較の通り、現在の株高はドットコムバブル時と状況が似ているのです。
S&P500のセクター比率から見る暴落予想
S&P500はハイテクグロース株の割合が多いため、大暴落予想が出回る要因となっています。
iシェアーズ・コア S&P500 ETFの上位組入銘柄は、Apple・Microsoft・Amazonなど、ハイテクグロース株が占めています。下記は、S&P500のセクター比率をあらわしたものです。
引用:You Tubeチャンネル「ライオン兄さんの米国株FIREが最強」
S&P500 のセクター比率は、ひと目でハイテクグロース株が多いとわかります。今後ハイテクグロース株が半値になれば、S&P500にも大きな影響を与えるでしょう。
S&P500の暴落に恐怖を感じる理由
S&P500の暴落予想に対して、恐怖を感じる人には理由があります。
- 過剰リスクをとっている
- 経済を理解していない
- 暴落に強いポートフォリオを組んでいないん
- 暴落時のシナリオを立てていない
「現金が少なく暴落時に耐える余裕がない」といった、過剰リスクをとっている人は危険です。暴落は10年に1度来るとされており、米国株は常に半値になるリスクを抱えています。
そのため、いつ暴落しても対処できるよう、現金比率を高めておくことが重要です。今の相場でおすすめの現金比率は5:5で、60代以上であれば株3割ほどに抑えるのがよいでしょう。
また、経済を理解していなければ未来を予測できません。米国株は誰でも買えますが、損せず長期で運用するのは難しいのです。
そして、暴落に強いポートフォリオや、万が一のときのシナリオを立てていない人も注意が必要です。暴落時に慌てないよう、しっかり対策しましょう。
S&P500で負けない人は積立投資を続けている!
最後に、S&P500における投資家の種類を紹介します。
- 投資で負ける人:暴落で狼狽する
- 投資で勝つ人:暴落で買う
- 投資で負けない人:ドルコスト平均法で対策している
投資で勝つ人は、暴落の際に買い増しします。しかし、そのためには金融リテラシーや経験が必要です。
そこで、投資で負けない人が重要となります。ドルコスト平均法、つまり積立投資の継続がポイントです。
S&P500への積立投資で2022年を乗り切ろう!
2022年は、S&P500の投資家にとってつらい年になるかもしれません。FRBの金融引き締めによって、株価の調整は起こりうるでしょう。
ただし、現金比率やポートフォリオの見直しで対策すれば、暴落時でも耐えられます。積立投資を継続し、ドルコスト平均法の適用によって「投資に負けない人」を目指しましょう。